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サービス業
「日本はサービス業を重視しなければならない」という言葉を聞きます。品物が行き渡った社会で需要を喚起するなら、サービス業が中心となるのでしょう。これは右肩上がりで消費が増え続けている間には気がつかないことですが、成熟した国ではそうなります。しかし、サービス業以外にあっても、粗利益の部分はその企業のサービス料と言えるのではないでしょうか。中古業者の粗利益は大きいのですが、その中身は場所代であり、人件費であり、リスクです。すなわち「物」に付加する「サービス」です。サービスがタダを意味する時代ではなくなりました。日頃膨大な在庫が必要なために「物」に目が行ってしまいますが、立派なサービス業です。
しかし膨大な在庫は荷が重く、パソコンと身体だけで出来るサービス業はやっぱりイイナと思います。とはいえ、それぞれ知識・経験・能力がいることであり、簡単に転業もできません。ただ、経営に関しては共通するものがあるようです。すなわち簡単ではないということです。経営コンサルタントという所謂サービス業がありますが、必ずしも経営が万能という訳ではありません。「経営コンサルタント」をサポートする経営コンサルタントもいるくらいですから。
# by saifukyo | 2009-10-29 13:19
オフィス家具EXPO
第一回オフィス家具EXPOが東京ビッグサイトにて、7月7日~9日に行われました。
100年に1度の大不況の中、興味あるイベントだったと思います。
オフィス家具業界は「いざなぎ景気越え」と言われた頃から平成19年末頃まで、たいそうな鼻息でした。その頃オフィス家具の需要は2010年まで安泰、と公言する論調もありました。この間流通事情が変化し、優勝劣敗も進み、世界同時不況による需要半減が襲い掛かりました。
オフィス家具の需要者は片方に高品質を求める層があり、他方使い物になれば安物でいい層があります。前者への供給はオカムラ・イトーキなど数社が占有し、後者への供給は外国製品が占めるのではないでしょうか。
今回のEXPOは趣旨からして国産大手が参加すべきものではなかったのでしょうが、安価品の市場から国産メーカーがはじき出された様を見る思いでした。
# by saifukyo | 2009-07-14 14:43
今どき元気な面々
不況の真っただ中にありますが、家具業界では「イケヤ」と「ニトリ」がダントツで好調だそうです。今好調なのは低価格品ばかりと言われます。両社共に価格競争力は抜群です。「イケヤ」は若者であふれ、出店を増やしております。反面、大塚家具など店頭での販売に必死の様子がうかがえます。
ご時勢柄、「イケヤ」はテレビに、「ニトリ」は新聞に取り上げられました。ナルホドと思わせられる共通点がありました。
ニトリには「社内憲法」があるそうです。
『1に安さ、2に安さ、3に安さ、4に適正な品質、5にコーディネート。』です。
一方「イケヤ」の物作りは、先ず価格を設定してからデザインを始めるのです。
いずれも、価格が第一番にあり、品質は価格に付随しているのです。品質が一番ではなく、品質は価格に見合っていればいいという考え方です。
このスタイルは好況時にはあまり注目されないでしょうが、不況時には絶対的な強みになります。ユニクロが好調なのも同様かもしれません。

日本経営合理化協会の理事長で社長専門コンサルタントの牟田學さんが今一番重要なこととしてこう言っております。
「緊急に売上を上げる手立てを考えること」
「他社にはない、自社独自の売り方を創り出すこと」
「思考停止せずに考え続けること」
だそうです。

「イケヤ」「ニトリ」「ユニクロ」「アスクル」は企画・製造・販売を一貫してコントロールできましょうから、価格を第一義に据えることが可能です。しかし、一般の小売業では、価格競争は販売力が有って成り立つことであり、収益を落とすだけでは破綻してしまいます。牟田氏が言う「緊急売上アップ・独自の売り方・思考停止しない」などはごく当たり前のことであり、しかし、永遠のテーマと言えそうです。
# by saifukyo | 2009-06-26 11:14
山本七平著「常識の研究」を読み直して
不況がらみの暇も手伝って、昔読んだ山本七平氏の「常識の研究」を読み直してみました。昭和56年(1981年)の出版ですから、28年前の本です。
この手の本は、発売された時は大抵書店の入り口近くに並べられ、読者は将来予測の一助とするために購入し、読み捨てにされます。たいていの予測は外れることになっておりますので、むしろ結果が出てから、すなわち古本になってから読む方が面白いのです。しかし流石に著者の慧眼は鋭く、現在に続く問題点を深くえぐり出しております。
1979年にイラン革命・第二次オイルショックが起き、1980年にはイラン・イラク戦争が勃発します。この本は1981年の出版でアメリカ・中東・南アフリカなどを俯瞰しつつ、日本の常識を述べておりますが、実はいかに非常識に固まっているかを書いているようです。
興味深いのは、この本が今年出版された新書だといわれても可笑しくないほど、日本のマスコミ・知識人・政治の体質、社会状況が変わっていないことです。
先が見えない時代とはよく言われますが、この書では「予測不能時代の到来」の項で「1980年にはさまざまの意外なことが起こり、起こった意外なことへの予測も多くがはずれた。そしてその跡をたどってみると、予測が大きく割れて意見が対立したという例は殆どなく、専門家・マスコミのほぼ一致した予測がみなはずれたというケースがきわめて多い。」との書き出しから、いくつかの事例を説明し結論として「1981年以降は、将来が予測しにくい時代だといわれるが、前述のように今までも予測しにくかった。そして現在これらの時代を振り返ってみれば、以上の常識が当然の成果を生んでおり、この常識に反したことは行き詰っている。ただそれだけであり、これは今後も変わりはないであろう。」と結んでいます。そして「常識」が将来を「見抜く」事象については、ある問題を自己の身近な問題に還元して眺めて成り立ちえないことは、国家の段階でも存在しえない・・と言い切っております。サブプライムローンの破綻が国家を恐慌に陥れた現状を言い当てているようです。

現在マスコミも政治家も識者といわれる人たちも、口をそろえて100年に一度の不況といい、回復に3年かかるともいいます。山本七平に言わせれば、これはすべて外れることになります。工業製品の販売量が半減することを個人レベルに対応させれば、こんな状況が長続きするはずがありません。ということは、見えにくい部分から遠からず徐々に回復するということです。そのうち気が付いて「去年から回復していました」と報道されるのでありましょう。
道元禅師曰く、「諸行無常・無常迅速」だそうです。希望を持ちましょう。多くの失業者がいつまでも失業者のままでいるわけがないのですから。
# by saifukyo | 2009-05-13 12:13
だらだら かげろう景気
平成14年2月から19年10月まで続いた景気拡大が、「だらだら、かげろう景気」と命名されたそうです。だらだらと長い間続いたものの、家計に実感が伴わず、陽炎のように実体のない景気拡大だったからです。
一般の家庭や中小企業は当初から景気がいいなどとは、思っていなかったでありましょう。しかし、実感がないとは言いつつも、マスコミや政治家や評論家には数字上の好況ばかりで、「だらだら」や「かげろう」の感覚はなかったと思われます。2%程度の拡大で、輸出関連企業や大手が人権費を抑えた上での絶好調であれば、大多数の中小はマイナス成長になるのは当然で、総体で拡大した数字を「小泉改革」の手柄にしていただけではないでしょうか。
いまさら「だらだら、かげろう」などと表現するのは、昨年からの急激な不況と、実は一昨年の11月からの「だらだら」とした景気縮小をやっと認識したからです。景気が拡大しているのか縮小しているのかは、後で判断するものかもしれませんが、リアルタイムの状況が理解できないでは対策の立てようもありません。あとであれは陽炎だったと知らせるのが政治の仕事ではないはずです。現在の不況も「不況だ不況だ」と騒ぎたて、三年後に「ナントカ恐慌」などと命名されても少しも嬉しくないのであります。
不況と同時に派遣切りや失業が問題になっております。しかし、人手不足の企業もたくさんあり、職業のミスマッチを問題にできる余裕があります。マスコミのセンセーショナルかつ偽善的な取り上げ方もおかしいと思います。派遣を切られ住居を失い、とりあえず、派遣でもなんでもいいから職がほしい人に、「もう派遣は嫌です」と言わせるのは、心情は理解できますがどんなものでしょう。世界を見回すと、好況の時でも仕事自体がない国、食糧そのものが不足している国があり、日本はそのような諸国と比べるべくはありませんが、日本が置かれているリアルタイムの状況を、我々自身がわかっていないのかもしれません。

政治は相変わらず政局ばかりで、これほど政治不能の状況も珍しいのではないでしょうか。自民党も民主党もマニュフェストを提示しているといいますが、政党に所属する政治家の主義主張は一貫していましょうか。「自由な発想」「多士済々」といえば聞こえはいいけれど、雑多な主義主張を寄せ集めた、数合わせの政党では、政局目当てととられても仕方がないではありませんか。政党は票が取れそうな候補者を選び、候補者の方は当選できそうな政党から立候補するという、およそ主義主張のない、モラルもポリシーもない選挙が行われてきました。議員はいわば選挙民から派遣されているようなものです。しかし、選挙民の方では選んだが最後、満期まで派遣切りをできません。今どきなんとも羨ましい派遣社員です。
# by saifukyo | 2009-05-13 12:10
リサイクルという怪物
常々リサイクルの効用を怪しんでおります。このところの偽装ブームが製紙業界にも及び、やっとグリーン購入法の欠陥が露呈するかと思いきや、製紙業者のペナルティーで決着しそうです。我国では一度法律として制定したら最後、不磨の聖典となるようで、リサイクルも今や新興宗教になりつつあります。古紙100%の再生紙とは、100%自然が再生してくれる植物資源を、100%使い捨てにせざるを得ない化石資源でリサイクルしているということであり、石油で紙を作ることです。これは環境保護が目的の、手段としてのリサイクルの立場からは全く反します。リサイクルが手段ではなく、目的になってしまったのです。
以前、割箸が森林を破壊すると言われたことがあります。通常割箸は端材や間伐材で作りますから、植林後の森林の重要なメンテナンスになります。何処の国に割箸を作るために大木を伐採する人がいるでしょう・・・。いや中国にはいるようです。彼らにとっては自然界にあるものは拾得物でありタダです。これをタダ同然の人件費で安い割箸を日本に輸出します。しかしかの地でも森林破壊に気付いた政府が輸出に待ったをかけ、割箸も値上がりしてきました。その森林破壊を救うべく、日本の善良なボランティアが植樹にでかけます。経費はすべてこちら持ち。航空券やホテル代、休業損失を考えたら、国産の高い割箸を買った方がどれほど安くつくでしょうか。間伐材1本の費用を負担してマイ割箸を作ったら、一生分の割箸をストックできます。
アメリカではトウモロコシでアルコール燃料を作ると言う馬鹿なことを始めました。穀物価格を高騰させるという戦略は上出来ではありますが愚劣であり、自然を冒涜するものです。生産活動には効率や歩留まりがあり、物を別の物に変換すればその度に目減りしてしまいます。トウモロコシは食物です。貴重な化石燃料で作ったトウモロコシをまた燃料に変えるなんぞ正気の沙汰ではありません。¥を元に替え、その元を$に替え、そのまた$を¥に替えたらそれだけで10%以上目減りしてしまいます。お金は印刷すればいいけれど資源はそうはいきません。ヨーロッパではCO2の排出権取引が巨大なマーケットになるとか。CO2に依る温暖化は先進国の責任と言いながら、その口先で先進国には排出権という既得権があると言うのです。なんという図々しさでしょうか。普通、責任のある者には権利ではなく義務が課せられるべきであります。かつてヨーロッパ諸国が世界中を植民地にした時代、彼らはキリスト教をもって未開の民族を開化させる責任を果たす口実で、他国の資源や財宝を略奪する権利を得た身勝手は今も受け継がれております。
# by saifukyo | 2008-02-27 08:58
景気の足を引っ張る4匹目の鬼
前段で「景気の足を引っ張る3匹の鬼」として、1.原油・食料価格の高騰・2.サブプライムローンの破綻・3.改正建築基準法による建築着工数の減少をあげました。原油は高止まり、小麦は30%値上げ、鉄鋼も値上げが確実になりました。サブプライムローン問題はいよいよアメリカの景気後退や株価下落を引き起こし、深刻になってきました。改正建築基準法の影響で倒産した企業は14社、優遇措置など特別な融資を受けた企業は4221社1000億円にものぼります。今後は建築業者だけでなく建築関連の耐久消費財にも幅広く影響がでるでしょうから、官製不況の被害はまだまだ広がりそうです。
さて、ここにきて4匹目の鬼が現れました。「中国製毒入り餃子中毒」問題です。
食料自給率39%の我国では消費者も生産・供給者も中国製食品に多くを依存しています。
単純な言い方をすれば、安い輸入品が国内の職場を奪い、そのために国民(消費者)の貧困を招き、結果的に消費者は安い輸入品に頼らざるを得ない状況は、正に悪循環です。
被害が公表されてからスーパーの冷凍食品は30~40%売上が減ったそうです。この数字は建築着工数の減少率と同じです。不安は冷凍食品だけでなく、その他の中国製食品や国産餃子にも広がりました。筆者の店では中国製のパーテーションは問題ないのかという電話の問い合わせが2件ありました。まさかパーテーションを食用にしているとも思えませんが、日本人もかなりナイーブです。これを機会に消費者が国産食品を多用してくれればいいと考えますが、人の噂も七十五日でその内に忘れてしまうことでしょう。JTやコープはいいとしても、とばっちりを受ける中小食品業者は気の毒です。
# by saifukyo | 2008-02-19 15:00
景気の足を引っ張る3匹の鬼
景気は今なお良いといわれ、オフィス需要は2010年まで安泰との説もあります。
景気が良いのになぜ中古業界は良くないかについては、アスクルなどの大規模通販業者の拡大と中古業者の過当競争により、好景気の期間でも日陰が大きく広がっております。しかし、景気に関しまして、いつまでもいいと言ってはいられないようです。ここにきて景気の足を引く要素が見えてきました。一つには原油価格とこれに連動する食品価格の高騰です。二つ目はアメリカのサブプライムローンの破綻と住宅産業の地盤沈下です。これらは海外からのマイナス要因ですが、三つ目は純国産で効果テキメン、建築基準法改正に伴う建築着工数の激減です。
姉葉の耐震偽装に端を発し、6月に建築基準法が改正されましたが、7月以降建築物の着工数は毎月下がり続け、昨年の半分近くまで落ちております。10月も前年比32%減となり、4ヶ月連続減少となりました。8月が42%減、9月は44%減でしたから少しは下げ幅が縮みましたが、建築業界にしてみれば32%売上が減るわけですから深刻です。これは設計図の不備というよりも、役所の審査能力の問題です。
建築物はコンクリート・鉄鋼・木材などの素材だけでなく、内装品・家電製品・家具など広範な消費を促します。また、多くの労働力を吸収しますので経済活動の主力です。建築着工数がもうすでに半年近く落ち込み、この先の見通しも良くないことを考えれば、消費が抑制されるのは当然でありましょう。この夏に着工したはずの住宅はそろそろ竣工を迎え、歳末商戦を活気づかせていたはずです。
民間調査会社の東京商工リサーチによると、着工遅れで資金繰りに窮し、9月から11月の間に9件の建設業者倒産があったそうです。新基準法の影響は着工件数の減少だけでなく、着工後の変更・訂正にも困難が及び、竣工を遅らせる結果となりますから、建築業者の資金繰りを悪化させ、住宅に伴う諸々の需要を抑制させてしまいます。
経済産業省は資金繰りを助けるために公的保証枠を拡大する緊急支援をスタートさせましたが、所詮借りた金は返さなければならず、業者の体力が強化するわけではありません。
耐震偽装問題は建築技術が未熟だったわけではなく、偽装した設計士の身勝手と、それを許した制度や制度の運用に原因があります。であれば確認申請の審査の滞りは、審査官の建築知識の未熟によるものではないはずです。改正法に問題があり、建築許可が4ヶ月間も半分近くまで減ってしまうのは、明らかに立法の失敗と行政の怠慢ではないでしょうか。
巷の話では、市の建築課の態度は横柄で、「図面の不備な部分をわざと教えない」とか、「嫌なら他の役所へ行けと言われた」とか、建築業者に不満が高まっております。
元は姉葉の犯罪ですがこれを見逃した行政に大きな責任があるはずなのに、しわ寄せは全部民間業者に集まり、その上規制強化で役人の権力を増してしまいました。この件で役所や政府が国民に謝罪したことがあるでしょうか。
今なお審査手続きが改善されていませんから来春まではこの状態でしょう。となりますと、来夏まで底冷えが続くということです。それまで持ち堪えるのは大変なことです。
# by saifukyo | 2007-12-27 14:54
バイオ燃料

近年石油燃料を巡る露骨な争奪戦が中国・ロシアを主役に行われています。これに呼応するように米国ではバイオ燃料への取り組みが強化されております。元々は余剰農産物を車の燃料にしようとの試みから生まれたものですが、ハリケーン・カトリーナ災害後の石油価格高騰を受けエタノール工場への投資が加速されました。しかもブッシュ大統領は温暖化対策の切り札として車のガソリン消費を今後10年間で2割削減する方針を打ち出し、2010年まではエタノールへの補助金が継続されるとのこと。2008年末には年間242億リットルの生産量になります。米国でのエタノールの原料は主にトウモロコシですが、世界のトウモロコシ生産量の40%、輸出量の70%を米国が占めているため穀物輸入国は需要を満たせなくなります。バイオ燃料100リットルを作るために、一人が一年間で食べる量の穀物を消費するそうですので、一ヶ月に100リットル使う人は一年で12人分の食料を消費してしまうことになります。これでは食品の価格高騰だけでなく、貧しい国に食料が行き渡らなくなります。
また、バイオ燃料は化石燃料と違い、再生可能な植物で大気中の二酸化炭素の総量が変化せず、地球温暖化の防止になるとのことですが、現実は畑を作るために森林が伐採されているようですので二酸化炭素排出の原因にもなっております。原油がメジャーや独裁国家に独占され、食料も食品メジャーに独占されている状況が、次にはメジャーによるエネルギーと食料の使い分けを許してしまうと、日本など食糧・エネルギーを全面的に輸入に頼っている国は独立を保てないで有りましょう。
# by saifukyo | 2007-12-07 08:52
減少し続ける住宅着工
6月の建築基準法改正のあおりで、7月から減少を続けていた住宅着工件数は、10月も前年比32%減となり、4ヶ月連続減少となりました。9月は44%減でしたから少しは下げ幅が縮みましたが、建築業界にしてみれば32%売上が減るわけですから深刻です。民間調査会社の東京商工リサーチによると、着工遅れで資金繰りに窮し、9月から11月の間に9件の建設業者倒産があったそうです。新基準法の影響は着工件数の減少だけでなく、着工後の変更・訂正にも困難が及び、竣工を遅らせる結果となりますから、建築業者の資金繰りを悪化させ、住宅に伴う諸々の需要を抑制させてしまいます。
経済産業省は資金繰りを助けるために公的保証枠を拡大する緊急支援をスタートさせましたが、所詮借りた金は返さなければならず、業者の体力が強化するわけではありません。
耐震偽装問題は建築技術が未熟だったわけではなく、偽装した設計士の身勝手と、それを許した制度や制度の運用に原因があります。であれば確認申請の審査の滞りは、審査官の建築知識の未熟によるものではないはずです。改正法に問題があり、建築許可が4ヶ月間も半分近くまで減ってしまうのは、明らかに立法の失敗と行政の怠慢ではないでしょうか。
# by saifukyo | 2007-12-03 11:05
耐震不況
姉葉の耐震偽装に端を発し、6月に建築基準法が改正されましたが、7月以降建築物の着工数は毎月下がり続け、昨年の半分近くまで落ちております。これは設計図の不備というよりも、審査能力の問題のようです。建築物はコンクリート・鉄鋼・木材などの広範な消費を促すだけでなく、多くの労働力を吸収しますので経済活動の主力です。この建築物が確認申請の手続き上着工できない状況は異状です。当社でも11月の顧客の動向は目を覆うばかりですが、建築着工数がもう半年近く落ち込み、この先の見通しも良くないことを考えれば、消費が抑制されるのは当然でありましょう。
巷の話では、市の建築課の態度は横柄で、「図面の不備な部分をわざと教えない」とか、「嫌なら他の役所へ行けと言われた」とか、建築業者に不満が高まっております。
元は姉葉の犯罪ですがこれを見逃した行政に大きな責任があるはずなのに、しわ寄せは全部民間業者に集まり、その上規制強化で役人の権力を増してしまいました。この件で役所や政府が国民に謝罪したことがあるでしょうか。
本来であれば夏場に着工した住宅は竣工を向かえ、歳末商戦を賑わせていたでしょうが、今年はとても期待できません。今なお審査手続きが改善されていませんから来春まではこの状態でしょう。となりますと、来夏まで底冷えが続くということです。それまで持ち堪えるのは大変なことです。
耐震偽装は姉葉の犯罪であっても、審査能力を超えた立法は失政と言うべきです。
この法律や運用のために多くの倒産・著しい不況に陥ったら誰が責任を取るのでしょうか。
消費税など云々している場合ではありません。いっそ税金不払い運動でも起こしたいものです。
# by saifukyo | 2007-11-28 16:17
PSEその後
昨年(18年)4月から電気用品安全法施行に従い、PSEマークが無いものは販売できなくなりました。ご案内のように大騒ぎの末、中古品であっても検査を受ければPSEマークが付けられるようにしたり、レンタル扱いにしたりと事実上法の適用を免れておりましたが、9月10日の産業構造審議会は、法施行前に製造された中古家電はマークがなくても販売を認める提言をまとめたそうです。この一年経産省は中古家電製品の絶縁・耐力検査の集計を独立行政法人「製品評価技術機構」に依頼、その結果、すべての中古品が電気用品安全法の基準に適合していることが判明、絶縁状態にも新品との差が見られなかったとのことです。これを受けて、経産省は臨時国会で法改正することを決めました。同時に、法実施に当たり混乱を招いたとして、法律策定した当時の管理職(資源エネルギー庁・原子力安全保安院等)5人を厳重注意処分にしたと発表しました。
ところで、最近古い扇風機などから出火する事故があり、古くなった家電製品に対するメーカーの製造責任或いはメンテナンス責任を問う報道がありました。テレビの報道では30年も大事に扇風機を使っている人を登場させ、むしろ製品が長持ちすることが問題かのような解説でした。
雪印・不二家・ミートホープ・赤福と食品関連の不祥事が絶えません。食品は性格上いいとしても、賞味期限の感覚を耐久消費財に持ち込まれた場合、中古品という商品が成り立たなくなるかもしれません。具体的に言えば、現在は製造年月日や製造番号ラベルが貼られておりますが、これが賞味期限の表示に代われば中古品その物の価値が認められなくなります。
PSE騒動の二の舞にならないよう監視する必要がありそうです。

# by saifukyo | 2007-11-17 14:05
原価上昇デフレ中

物価が長期的に下落する状態をデフレというのだそうです。1999年から2003年までの5年間はデフレ状態でした。しかし、今年4月の国内企業物価は前年比2.2%上昇したそうです。企業物価は製造から卸売りまでの物価ですが、03年までは下落していたのが、04年度1.5%、05年度2.1%、06年度2.8%と上昇しています。ところが消費者物価はいまだに下がり気味で3月は前年比0.1%の下落だそうです。消費者に近い小売店ほど利益を削っているといえましょうか。価格の下落が早く訪れ、上昇は最後になるのが消費者に近い業種の宿命かもしれませんが、現在の好況・不況の色分けを見ている思いがします。
このような状況のまま消費税が上がったりすると、廃業に追い込まれる事業所も出てきそうです。
# by saifukyo | 2007-09-12 13:36
中国のダンボール入り饅頭騒ぎに思う
中国のテレビ局が伝えたダンボール入り饅頭騒ぎは、日本のテレビだけでなくCNNでも放映されたとのこと。そこまでやるかと思いつつも、なぜかやりそうだなと思わせるのが中国でありましょう。しかし数日後これがテレビ局のヤラセと判明し、関係者が警察にあげられたとか。そうなってみると、とんでもないヤラセをやるものだと思いつつも、それぐらいはやるだろうと思わせるのがやっぱり中国です。90%は偽物といわれる中国ですので情報もまた例に漏れないというところでしょうか。もっとも、以前人民日報に書かれている記事で、真実は「人民日報」の表題だけだと言われていた程ですから、驚くには当たりません。警察は関係者を厳重に処罰するそうですが、冷静に考えれば国家の名誉を著しく汚したのですから、かの国では死刑になってもおかしくはありません。しかし、もう少し穿って考えると、ダンボール入り饅頭は真実で、これを当局がヤラセということで収拾してしまったというシナリオもありえます。なにしろこのところ中国製品の危険性が特に日米で頻繁に報道されますし、来年は北京オリンピックも控えております。当局にとってこれ以上のスキャンダルはなんとしても避けたいところでありましょう。報道の自由や尊厳を重んじる日米にとっては、どちらかと言えば「ダンボール入り饅頭」より「ヤラセ報道」の方が深刻ですが、中国にとっては報道を捻じ曲げるのは日常茶飯事でしょうからヤラセで収拾を図るのは簡便な方法です。
何でもアリの中国のこと、真実は藪の中ですが、どれも真実に見えてくるから不思議です。
さて、ダンボール入り饅頭を笑っているわが日本では輸入食品の20%以上を中国に依存しております。鰻は80%が中国の養殖モノだとか。ある程度危険を承知で食べなければ、食べるものが無くなる状況になってきています。食の安全が叫ばれるのは結構、不当表示のひき肉の為に食肉加工業者が廃業に追い込まれるのも身から出た錆でありましょう。しかし、賞味期限に対する配慮は異常ではないでしょうか。中越沖地震で配られた2000個のおにぎりの一部が賞味期限を2時間過ぎていたと新聞が報道しましたが、これは全国紙に載せる記事でしょうか。しかも「これを食べて異常の出た人はいなかった」とまで書いてあります。集団生活を余儀なくされている被災者の中から食中毒患者を出さない配慮は重要ではありますが、賞味期限は賞味(味をほめたり、楽しんだりして食べること)を保証する期限であり、食中毒とは別の次元です。賞味期限内であっても大腸菌やサルモネラ菌などで食中毒は起きますし、期限が切れたから腐敗しているわけでもありません。添加物や農薬で実は何を食わされているのか解らない状況から比べれば、判り易い賞味期限など何の問題がありましょう。安全が当たり前という油断から危険が始まると思えば、むしろ賞味期限に頼らず自分の目と鼻と舌で安全を確認する訓練が必要です。我々もダンボール入り饅頭でも食べて、胃袋と心臓を鍛えなおし、強く逞しく生きなければならないのはないでしょうか。
私どもの業界も中国製品に席捲されておりますが、オフィス家具やパーテーションでは腹も壊せないし、ダンボール入りは当たり前ですからとりあえず他人事でした。
# by saifukyo | 2007-08-08 13:33
クリエイティブ・オフィス推進運動
経済産業省は「感性価値創造イニシアティブ 第四の価値軸の提案」なるものを策定し、国民運動として取り組むことになったのだそうです。最近の名称はそれだけでは何のことやらサッパリ解りませんが、どうも二十年ほど以前に展開した「ニューオフィス推進運動」の焼き直しのように思われます。その趣旨は「活力ある経済・社会の発展を目指すため、感性という新たな着眼点からの価値軸の提案を行う『感性価値創造イニシアティブ』を策定。2010年度までを『感性価値創造イヤー』と定め、感性価値創造の実現に向けた施策を行う。『クリエイティブ・オフィス』の推進、異分野・知識の融合により、社員の個性を活かし、クリエイティブな現場力を向上させるための取り組を促進するため、感性・創造性を高め、知識創造を誘発するオフィスのあり方のついて、関係業界と協力し本年夏をメドにとりまとめる」のだそうです。これはオフィス家具新聞から抜粋しましたが、本文を読んでもヤッパリよく解りません。例の北朝鮮テレビの強面おばちゃんアナウンサーに読んでもらえば、なんとなく解った気になるかも知れませんが。
思うに中・低価格品は中国製品に席巻されてしまいました。前の「ニューオフィス推進運動」当時とは違い、日本製は高価格品の部類になってしまいましたが、これ以上の品質向上は技術的にもまた販売する上でも困難になっております。そこで目を付けたのが「感性」という曖昧な概念であり、良く言えばハイセンス、悪く言えば時流を作り出すということではないでしょうか。たしかに我国のオフィス事情は居住環境としてもデザイン性としても決して勝れているとは言えません。役所が旗を振るところに多少の胡散臭さと意識の低さを感じるのですが、日本人自身が気付かないうちに相当変化してきたことを感じます。それは外国の真似をして作ったものが何時か世界をリードする商品になっていたり、子供の遊びだと思っていたマンガ・アニメ・ゲームなどが世界中で受け入れられたり、また伝統的な質素な生き方がセコイのではなく環境保全のために必要であることなど、日本の文化にもっと自信を持つべきことがわかり始めてきたからです。
それが「感性価値創造イニシアティブ」だと言われると、また何のことやら解らなくなるのですが、「物まねではなく日本人の感性で作ろうよ」と言うのであれば進歩ではあります。
しかしながら、それがアスクルを含め安さで生存している中古業界にどう関係あるのか、また、将来「感性」で作られた品物の中古品をどのように扱うのか工夫が必要です。かつて「ニューオフィス推進運動」時代に作られた製品は今では当たり前の商品になっておりますが、中古業者の世界では相当長期間「ゲテモノ」と言われておりましたから・・・。
# by saifukyo | 2007-07-28 12:05
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