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格差社会の商売
総中流階級の時代はもうすっかり忘れ去られてしまいました。日本もまた格差社会に向かって着実に且つ急速に進んでおります。近代史的にみると日本ほど前代未聞の経験を急激にしかも数多く受けた国も少ないのではないでしょうか。
明治維新の富国強兵、大東亜戦争での徹底的な破壊、高度成長、バブルとその崩壊、急激なデフレ、少子高齢化、そして進行する格差社会。多くはその時にはあまり意識しなくても後になってみると愕然とするほどの変化に気が付きます。バブル崩壊後空白の十年などと言われましたが、実はこの十年が日本の経済を根本から変化させた期間であったことが後で判明するようなものです。現在は昭和40年からの「いざなぎ景気」を軽く抜く景気拡大で、戦後二位の「バブル景気」に並ぶのだそうですが、多くは不況を感じているということで、従来とは異なる拡大基調です。
ちなみに、2003年の一世帯あたりの平均年収は約600万円だそうです。そして1000万円以上の世帯は5%、1000~600万円の世帯が16%、600万円以下が79%だそうです。
すなわち、平均以下の年収の所帯が約80%を占めています。全労働者の27%が月収20万円以下という報告もあります。このような状態では中流意識など持てるはずがありません。中国などに進出していた製造業の国内回帰現象はそれ自体歓迎すべきではあるかもしれませんが、労働集約型の産業は低賃金にならざるをえず、中小製造業は好況感に浸れるとは限らないのです。個人においても企業においてもその所得格差・二極化は今後拡大することはあっても縮小することはありえないと言われます。
大前研一氏の意見を引用します。
「要するに、所得格差の拡大はボーダレス経済とコンピューターが生み出した一つの帰結でもあるのだが、格差は決して悪いことではない。やる気のある人には大きな励みにもなる。所得を上げようと思ったら、自分自身が努力して能力を高め、他の人、他の国、コンピューターにできないことをできるようにするしかない。その能力が高ければ上に行くし、低ければ下に行くだけの話である」・・・だそうです。
景気は回復しているとは言われますが、デジタルカメラの普及の陰でニコンやコニカミノルタは光学カメラやフィルム事業から撤退し、ミニラボ(写真の現像・焼付け機)のノーリツ鋼機は3100人の従業員を800人削減するなど所謂構造的不況業種も目立ってきました。
インターネットの世界では早い者勝ちの要素が強く、優劣が決まったかに見えますが、技術革新や新しいメディアの登場によりまだまだ変化するでありましょう。ピンチはチャンスになるのかどうか希望だけは持っていたいものです。
by saifukyo | 2006-05-23 10:40
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